本当はずっとキミだけを…。
しばらくして始まった映画は、数日前・・・そう、大輔くんから抱き締められたあと泣きはらした瞼で図書館で高津くん待っていた日
あたしの瞼を見ても何も聞かなかった代わりに
「梨華ちゃんってさ・・・・いま、見たい映画ある?」
そう聞かれた時に答えた映画。
その映画は、いま女の子達で話題になっていた映画で、スッゴク大好きな男の子と些細なすれ違いがキッカケで素直になれない女の子が
いろんな事を経験して最後には自分の気持ちを伝えてハッピーエンドになるという内容の映画だった。
高津くんから聞かれて、真っ先に頭に浮んだのがその映画だった。
そう・・・知らず知らずのうちにあたしは、その映画の中の主人公の女の子と自分を重ねていたのだ・・・そして主人公が好きな男の子を大輔くんと重ねていた・・・。
この映画を選んだってことは、もしかして高津くん・・・・!?
高津くんの手を握り締めたまま、隣にいる高津くんの顔を見上げた。
その瞳は、少し涙で濡れていてスクリーンで気持ちが通じて抱き合っている主人公の姿を見つめていた。