本当はずっとキミだけを…。

空から一粒雨が落ちてきた時

高津くんとサヨナラしたあたしは1人、大輔くんのアパートの前まできていた。

三階の左から二番目の部屋。

あそこに、大輔くんがいる・・・。


一歩、足を前に踏み出した。



「いい?俺が振ってあげたんだから、後悔しないようにするんだよ」


別れ際、まるで小さい子供を諭すように高津くんが言った言葉が頭の中でグルグル回っている。



高津くんの言う通り、後悔だけはしたくない。
その気持ちだけで、ここまで来たけど・・・・。




果たして彼女がいる大輔くんの部屋に、あたしが訪ねて行っていいのだろうか?



自問自答を繰り返している間に、雨脚は徐々にひどくなってきていた。




このままじゃ、また雨に濡れて風邪を引いてしまう。
けど、やっぱり訪ねる事はできない。




どうしよう?学校で話すチャンスを伺うか・・・・。



どちらにしても、今は帰った方が良いかも。
雨に濡れて、髪も服もメイクもきっとグチャグチャだ。


そう思って立ち去ろうとした時だった・・・・。












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