本当はずっとキミだけを…。
「大輔くん・・・」
「俺もさ、梨華に聞きたい事があったんだ」
「なに?」
「梨華さ・・・・」
瞳をキョロキョロさせながら落ち着かない様子の大輔くん。
何を聞きたいんだろう?なんでもいいから聞いてと言うと
真っ直ぐにあたしの顔を見つめた。
「梨華さぁ、アイツと・・・本当に付き合っているのか?」
どうなんだ?と聞く大輔くんの傘を持つ手が、気のせいかプルプルと小刻みに震えている気がした。
「ハッキリ・・・言ってくれていいから」
「付き合ってないよ」
「え?」
「付き合ってない」
「本当に?」
「正確には・・・高津くんと付き合おうと思ったけど・・・できなかった」
「え?」
「大輔くんの事が忘れられなくて、他の人・・・好きになれなかったんだ」
やっと言えた言葉を自分の心の中で噛み締めた。
言い終えた後、自分の頬が真っ赤に染まっていくのを感じた。
きっと、あたしの顔はゆで蛸よりも真っ赤だ。