本当はずっとキミだけを…。
教室に、大輔くんと一緒に行くとクラスメートの視線が一斉にあたし達を見た。
無理もない・・・。
先週まであたしと大輔くんの間に、こんな事になる気配なんて微塵もなかったのだから。
みんなの視線に戸惑っていると
「気にするな。堂々としよう。な?」
ニカッと大輔くんが笑った。
その言葉は力強くて、たのもしく思えた。
「ねぇ、2人、どういう関係なの?」
不意に、石川さんがそう聞いてきた。
石川さんが、大輔くんのことを好きだってことは予測がついていたし
他のクラスメート達も気づいていたらしく静まり返っていた教室に緊張が走るのを感じた。
大輔くん、なんて答えるんだろう?
不安な気持ちで言葉を待っていたら
「何って・・・恋人同士だよ」
そうハッキリと言った。
その言葉が嬉しくもあったけど、今にも泣きそうな顔になっている石川さんのことを思うと、ギュウと胸が締付けられた。