本当はずっとキミだけを…。
この日は、何かと騒がしかった。
まず沙羅に事の成り行きを報告したら
「よかったじゃん。おめでとう」
そう言って抱き締めてくれた。
そして大輔くんに
「梨華のこと泣かしたら、許さないから」
そう言って覚えておいてよとニカッと笑った。
沙羅から言われた後「当たり前。泣かさないよ。俺が好きなのは梨華だけだから」と言った大輔くんの言葉を、あたしは一生忘れないと胸に刻んだ。
「ねぇ、いつから付き合うようになったの?」
休み時間の度に、何人かの女の子から事あるごとにそう聞かれた。
聞かれる度に、改めて大輔くんが女の子にモテテいたことを実感して、チョッピリ不安になった。
そういえば、大輔くんが転校してきたばかりの頃
あたしは大輔くんのことを軽い男の子と思っていた。
石川さんたちに囲まれて笑っていた光景がいまだに忘れられずにいたから。