本当はずっとキミだけを…。
「ねぇ、梨華ちゃんは、俺のことどう思う?」
「ど、どう思うって…そんな、急に聞かれても…」
なんて答えたらいいんだろう?
俯いて悩みまくるあたしの横を、ビュンとスピードを上げた自転車が通り過ぎた。
その反動で、バランスを崩して
「うわっ」
斜めに倒れそうになるあたしの体。
「危ねっ!」
ガシッと大きな手のひらで両腕を掴まれ、そのままポスンと広い胸板に顔を付けた。
「エッ…?」
な、なにこれ?
なんで?こうなってんの?
戸惑うあたしの頭上から「大丈夫?」と優しい声。
その声に惹かれるように見上げたら高津くんの心配そうに微笑む優しい瞳に吸い込まれた。