本当はずっとキミだけを…。

─*─*─*─

「梨華!あんた、またあの男の子会いに来てるよ」


「へっ?」


9月後半に入りようやく涼しくなった風が【2-1】の教室の窓から舞い込む昼休み。


自分の席で弁当の卵焼きを頬張っていたら


「ほら、あそこ」


一緒に食べていた沙羅が視線をドアに向けながらニヤニヤと笑って言った。



「えっ?また?」



複雑な気持ちでドアに視線を向けると



目が合うなり、嬉しそうな顔でペコッと頭を下げる男の子に「ハァ…」と深いため息がこぼれ落ちた。



< 4 / 164 >

この作品をシェア

pagetop