本当はずっとキミだけを…。

「あの、さぁ…」


家の前まで来た時だった。先を歩いていた高津くんがピタリと立ち止まり、クルリと振り向いてあたしを見た。



「あのさぁ…」



何かを考える表情で俯いた。



なにを言おうとしているんだろう?



トクン…と鼓動が鳴り響くのを感じながら、高津くんの言葉を静かに待った。




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