本当はずっとキミだけを…。
ドクン!ドクン!ドクン!と鼓動がうるさい。
瞳が、その人をとらえてそらせない。
「あっ…」
何か言いたいのに、言葉が出てこない。
「もう、忘れたかな?」
忘れるはずない。
忘れられるはずがない!!
胸の奥がギューと締め付けられる。
瞳が潤んで、涙が今にもこぼれ落ちそうだ…。
「だいすけ…くん」
絞りだすようにやっと出た名前…
ずっと呼びたかった名前…
「覚えててくれたんだ?嬉しいよ」
あの懐かしいニカッと笑う明るい笑顔。
大輔くんだ…。
大輔くんが、あたしの目の前にいるんだ…!!
ゆっくりとジーンズのポッケに手を入れたまま近づいてくる大輔くんに心を奪われ身動きできない。