本当はずっとキミだけを…。
第2章
キミじゃないキミ。
「あっ…」
すぐ近くの距離に、大輔くんがいる…。
「なんか、可愛くなったな」
ニカッと口角を上げて笑う少し薄めの唇
「何年ぶりだっけ?」
サラリとした前髪に、整えられた眉の下で、少し目を細めて懐かしそうに笑う切れ長の目、栗色の瞳が沈む夕日に照らされて眩しく光る。
背…伸びたんだね…。
どれぐらいあるんだろう?
「マジで久しぶりだな」
そう言って、あたしの頭を大きな手のひらでポンと撫でた。
瞬間…涙がポロリとこぼれ落ちた。
隣で、高津くんが顔を強ばらせて傷ついていたことに気づかないまま…
あたしの瞳には、大輔くんしか映っていなかった…。