本当はずっとキミだけを…。

「ごめん。ちょっと行ってくる」


そう立ち上がるあたしにクラスメート達の好奇な視線が注がれた。



無理もない。



この3日間。
続けて同じ光景が、この教室の中で繰り返されているのだから…。





あぁ…。
疲れるよ…。




重い足取りでドアに向かうと


「よっ。坂口さん」

無神経なのか、それとも単なる鈍感男なのか…



「あのね。何度来ても、あたし、あなたに興味ないから」



ワザと冷たい態度を取るあたしの言葉なんて気にしないで


「いいじゃん。きょう一緒に帰ろう♪」

語尾に音符がつくようなテンションで言ってくる男の子に


「ハァ…」と頭がクラクラしてきた、端からみればモテ女の幸せモノと呼ばれるのがあたし


坂口 梨華。
17才。
高2の悩める女子高生。




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