本当はずっとキミだけを…。

「ウソっ!?」


慌てて辺りをキョロキョロ見渡しても、もうどこにも高津くんの姿はなかった。


どうしよう…。


あたし…凄く悪いことしちゃったよね…?


「どうしよう…」

俯いて、どうしたらいいか悩んでいたら

「なに、さっきの…もしかして梨華の彼氏?」



首を斜めに傾げながら聞く瞳に、ドキリとした。


その瞳があまりにも冷たい海の底みたいに冷ややかで、そして悲しげに見えたから…。



だけど…。




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