本当はずっとキミだけを…。
「カッコいいじゃん。彼氏。いつから付き合ってんの?」



さっきの冷たく悲しげだった瞳はどこかに消えていて


「梨華に彼氏がねぇ」


そう呟くと、体を屈めて顔を近づけてきた。


鼻先に大輔くんの吐息がかかる。


誰…?この人…。
本当に、大輔くんなの?


そう思ってしまうほど…

さっきまで懐かしく思っていた明るい笑顔の大輔くんとは別人で


「じゃあ、もう、アイツとキスとかしちゃったとか?」


そうからかう口調でニヤリと笑う、全く知らない顔の大輔くんがいた…。




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