本当はずっとキミだけを…。

思い出した。

あれは、大輔くんが突然いなくなってしまってからだった。


あたしが落ち込んでたら



“いつまでそんな顔してるの”



そう言って頬つねってきたっけ。



「変わってないね…沙羅」



沙羅の手が放れたあと、頬を撫でながら言った。



「梨華だって。変わってないじゃん。


落ち込んだ時、拗ねた子供みたいな顔するの。


全く変わってないよ」



クスッと笑う沙羅。
釣られてあたしもクスッと笑った。




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