本当はずっとキミだけを…。
その視線を気にしているあたしとは真逆に高津くんは変わらない明るい笑顔のまま
「だってさ、梨華ちゃんに会いたかったから」
ニカッと口角を上げてそう言った。
その言葉に、思わず頬が赤く染まるのを感じた。
そんなあたし達を沙羅が瞳をキョロキョロさせながら見ていた。
「さ、沙羅、ごめん。あたし、ちょっと行ってくる」
まだおかずが残っている弁当箱に蓋をして敷いていたバンダナで包んでバックの中に入れたあと
「ちょっと来て」
高津くんの腕を掴んで教室を後にしようとした時
一瞬だけど───大輔くんと目が合った気がした…。