本当はずっとキミだけを…。


「…どうして?」


少しの沈黙の後に、悲しげに言った高津くんが、ゆっくりとあたしに近づいてきた。



高津くんから逃れるように、2、3歩後ろに下がると



高津くんの足がピタリと止まった。




「なんで…急にそんなこと言うの?梨華ちゃん」




「ごめんなさい…」



俯いてあたしの肩を、高津くんがガシッと掴んだ…同時に顔を上げると、悲しみに歪んだ瞳が胸を締め付ける…。





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