本当はずっとキミだけを…。


「───ダメだよ…こんなの…ダメだよ…」




やっと絞り出した言葉。必死になって涙を両手の甲で拭った。


ずっと黙ったままの高津くん。


これ以上泣いたら、高津くんが余計に困るだけだ…。



早く泣きやまないと…泣き止め!!あたし、泣き止め!!



グスングスンと鼻を啜って、顔を上げて無理やり笑顔を作って笑った。




< 99 / 164 >

この作品をシェア

pagetop