王子と王子の愛しの姫(仮)



入学式だった。富山先輩に初めてあったのは。



学校が広すぎて体育舘の場所が分からなくて泣いてた。


もう、入学式遅刻・・・



せっかくの晴れ姿・・・




私はすっごく悲しかった。




みんな泣いてる私を無視して通りすぎていく。




ただ生暖かいものが流れるだけ。



聞く勇気もない。





だけど、一人足をとめてくれる人がいた




「あれ?新入生?・・・もう入学式・・・始まってるよ?」



そう優しく微笑みかけてくれた。





入学式始まってるって言われたけど・・・あ~あって




思うより、嬉しいのほうがつよかった。







「もしかして・・・体育舘の場所・・・分からない?」





私は黙ってうなずいた。




「大丈夫っ俺がついてるから」




そういって富山先輩は私の手を握って走り出した。






その手は・・・温かくて・・・





心拍数が上がって・・・







ドクドク脈が動いて・・・





こんな脈って激しくなるのかっておもった。




脈が破裂してしまいそうだった。








でも、そのとき名前を聞く勇気がなかったから後で調べた。





私がこのとき感じたのは・・・恋だったんだ。












< 6 / 178 >

この作品をシェア

pagetop