王子と王子の愛しの姫(仮)
入学式だった。富山先輩に初めてあったのは。
学校が広すぎて体育舘の場所が分からなくて泣いてた。
もう、入学式遅刻・・・
せっかくの晴れ姿・・・
私はすっごく悲しかった。
みんな泣いてる私を無視して通りすぎていく。
ただ生暖かいものが流れるだけ。
聞く勇気もない。
だけど、一人足をとめてくれる人がいた
「あれ?新入生?・・・もう入学式・・・始まってるよ?」
そう優しく微笑みかけてくれた。
入学式始まってるって言われたけど・・・あ~あって
思うより、嬉しいのほうがつよかった。
「もしかして・・・体育舘の場所・・・分からない?」
私は黙ってうなずいた。
「大丈夫っ俺がついてるから」
そういって富山先輩は私の手を握って走り出した。
その手は・・・温かくて・・・
心拍数が上がって・・・
ドクドク脈が動いて・・・
こんな脈って激しくなるのかっておもった。
脈が破裂してしまいそうだった。
でも、そのとき名前を聞く勇気がなかったから後で調べた。
私がこのとき感じたのは・・・恋だったんだ。