王子と王子の愛しの姫(仮)
〜蘭SIDE〜
夏帆ちゃんはバイトを辞めた。
私はあまり気にせず、いつも通りの日々を送る。
「みずき〜」
私はバイトが始まる前、瑞希にはなしかけた。
「・・・・」
無視ですか。
「みずきくぅん」
はぁ・・・・
なにこれ。
罰ゲーム?
いつもなら爽やかな笑顔で返事してくれるのに。
「ねぇ・・「俺と話さないほうがいいんじゃない?」
私の言葉をさえぎり、そう言った。
「え・・・?」
瑞希はそれだけ言うと、私の近くを立ち去った。
なんでぇ・・・?
なんでいきなり?
さっきの瑞希の顔はちょっと怖かった。
話し掛けて、なんで?って聞きたいけど・・・・
怒られてしまいそうで怖い。
うっとうしいって思われてしまいそうで怖い。
好きだから・・・
怖い。
それからは私は四ヶ月、ずっと無視された。
そのとき、調度バイトの日々は終わった。