さつまいものたまご
やっとレンタルショップ店がちらっとだけ見え始める。
太郎は足を止め、息を荒くしながら、腕時計を見た。残り5分。
全力疾走で行けば間に合う距離だ。
太郎がそう思い、走り出そうとした瞬間
「!!」
太郎は、おばあちゃんが重たそうに荷物を持って、歩いているところを見てしまった。
――助けなくてはっ
おばあちゃんの元へと駆け寄ろうとする太郎の足が、ふと止まる。
――待てよ。ここであのおばあちゃんを助けたとしよう。するとどうなる?延滞金が取られてしまう!!…いやでもあのおばあちゃんは今困っているはず…。
そう思い、太郎はおばあちゃんの方を一瞥した。
重そうに荷物を持っていることに変わりはなく、太郎は暫く考えた末
「許せ!!おばあちゃんよ!!こちらも命に関わるんだ!!」
そう思い、再び太郎は走り出した。