不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
そんな中、受けたテスト。
正直言って、今までで一番出来た。
きっと赤点も免れてると思う。
「よ―し。じゃあテストの結果を配るぞ―」
帰りのHRで担任がそう叫んだ。
まだ若い、二十代後半の担任。
新婚ホヤホヤで、ラブラブみたいだ。
うらやましいを通り越して、ウザい……
「七村―」
「は―い」
担任から成績表を預かる。
「お前にしてはよく出来てたな」
そう言って笑みを浮かべる先生。
「ほんとですか!?」
「あぁ。赤点も無かったしな♪」
ニヤッと笑った先生を少し睨んで席に戻った。
「鈴加~~。テストどうだった?」
ホームルームが終わってすぐに、蘭が聞いてきた。
「まだ見てないんだよね……」
「は?」
そう。
まだ成績表を開けずにいるあたし。
先生は『よく出来てたな』って言ってたけど……
それは前のあたしの成績が破滅的に悪かったから。
『よく』の意味のランクがわからない。
もしかしたら、赤点がないってことが『よく』なのかもしれないし……
あぁ――もうっ!!
どうしよ~~
――ヒョイ
今まで手の中にあった、通知表がなくなった。
あ、あれ?
「へぇ―。奇跡って本当に起きるんだな」
……え?