不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「蘭と昨日の夜、一緒に帰ってたら鈴加ちゃんから電話が来てさ―」
「……」
「なんか友達が……とか言ってキスされた話ししたんだとよ。バレバレだって―のにな」
ははっと、楽しそうに笑う夏樹。
「しかも相手からしてきたって、言うじゃん?だからてっきり好きだって自覚したんかな―って。」
「……だからって何で相手が俺になるんだよ」
「えっ?カン」
「……は?」
サラッと言った夏樹に、口から間抜けな声が出た。
「いや―。だって前々からお前ら怪しいと思ってたし」
そんなに分かりやすかったのか。俺……
なんか……なぁ―……
「で?早くしねぇと奪われちゃうぜ?」
「……俺には関係ない。」
「あぁ―あ。強がっちゃって」
「なっ!強がってなんかねぇ―よっ!!」
「はいはい。まぁ、せいぜい後悔するなよ」
呆れたようにその言葉だけを残して、夏輝は自分の席に戻っていった。
一体何なんだよ……
恋わずらい……?
ふざけんな。俺に限って、恋なんて……
それから何度も夏輝の言葉が頭の中を駆け巡りながら、授業時間を過ごした。