不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~


「はぁ―……、お前は中坊かよ……」



後ろから肩を落として、嫌みなため息を吐く夏樹。



「……んだよ」



「好きな女の子と目が合わせられないとか、今時の高校生とは思えない行動だし……」



「好きだとは言ってないだろ……」



「だからって、好きだってことを否定してもない」



ゔっ……



なんか今日の夏樹は強い……




「お前さ―……」



「先輩―っ!!」



後ろから突然聞こえた声。



振り向くと、走って俺たちに近づいてきた城田の姿が目に入った。



「あれ?蘭、どうしたの?」



「夏樹先輩じゃなくて、司先輩に用事あって来たんです」



俺に……?



「……なに?」



そう聞くと、ジッと俺を見てくる。



「司先輩は……鈴加のこと、どう思ってるんですか?」



真剣な瞳を俺に向ける。



「どうって……別に……」



「別に……で、先輩は女の子にキスをするような人なんですか……?」



「っ……」



「鈴加をあまり傷つけないでください。傷つけるなら、鈴加にはもう近づけません」



とだけ言って、ペコッと頭を下げ、帰っていった。




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