不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
今日は来ていないかもしれない。
つ―か、もう来ないかもしれないな……
珍しく胸がドキドキしている。
――ガラッ
ゆっくりドアを開け、そっと中を見た。
……いない。
「……ははっ」
そうだよな……
会いたくないよな。
付き合ってるわけでも無いのに、キスをしてくる男になんて。
ただの軽い男じゃん……
頭ではわかってるのに。
何だよ……
この痛み……
胸がキリキリと痛い。
「あの、司先輩……?」
………え
「入り口に立たれてたら、中に入れないんですけど……」
後ろをそっと見ると、遠慮気味に俺から視線を反らしてそう言った鈴加。
「……な……んで」
……なんで、鈴加が……?
「なんでって……、来ちゃダメでしたか……?」
少し潤んだ瞳が俺に向けられる。
「っ……!!」
――グイッ
「きゃっ!」
おもいっきり腕を引き、そのまま図書室に引き込み抱きしめた。