不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「……えっ……えっ!?」
俺の腕の中で、パニックを起こしている。
「ちょっ……」
来てくれた……
「あのっ……司先輩!?」
ここに……
俺のところに来てくれた。
――ギュッ
強く強く抱きしめた。
ちゃんと食ってんのか、って心配になるくらい細くて小さい、鈴加を……ただ強く強く抱きしめた―……
強く抱きしめないと、すぐにスルリと俺をほどいて逃げてしまうようで……
それが怖くて、ギュッと鈴加を抱きしめた。
「司……先輩?」
この気持ちは何なんだろう……?
この気持ちはどうやって伝えるんだろう……
きっと……初めて会った時から、惹かれてたんだ。
泣き虫で、優しいキミに―……
「鈴加……」
「司……先輩……?」
ちゃんと伝えるから。
だから俺の腕から逃げないでくれ……
「好きだ……」
静かな教室に、俺の想いが響き渡った―……