不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~


目を見開き、詰め寄ってくるクラスメイトに、一歩後ろに下がってしまう。



「あっ、うん……」



そう返すのがやっと。



「あぁ―。やっぱりそうなんだ~~」



肩をガクッと落とした女子。



みんな司先輩のこと、好きなのかな……?



ちょっと心がざわつく。



きっと、司先輩を好きな人はもっとたくさんいる。



クラスだけでこんなにいるんだもん……



違う学年なのに……




じゃあ、司先輩と同じ学年にはきっともっと司先輩を好きな人がいる。




そんな人がたくさん、たくさん、いるんだ……




「どうしたの?鈴加ちゃん?」



「……えっ」


「ボーっとしちゃって」


「あっ、うぅん。何でもないの」




手を横に振り、取り囲んでいる女子の間をくぐり抜けて席についた。



「朝から大変だね―」



他人事のように、手を組んでうなずいている蘭。



「そんな他人事みたいに言わないでよ」


「だって他人事じゃん?」


「んなっ!!」



普通サラッと言い切る!?




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