不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
こんな方法でしか、自信を持つことが出来ない……
「はぁ―……、まぁお前の気持ちもわからないことはないけどさ……。あんまり不安にさせんなよ?鈴加ちゃんのこと……」
とだけ言って、夏樹も帰っていった。
「あぁ―あ。みんな帰っちゃったねぇ?」
道岡が残念みたいな言い方をするが、全然そんなことを思ってないだろう。
「ねぇ、司くん?あんな彼女じゃ満足出来ないでしょ?だったら、あたしと……」
「俺帰るわ……」
腕に巻きついている手を離し、立ち上がった。
「え!?司くん!?」
後ろで道岡の呼んでいる声がする。。
やっぱりウザい。
俺が他の女に優しく出来るのは、鈴加の見てる前でだけだと改めて思った。
イヤ、優しい『フリ』が出来るのは……か。
それからは教室に帰る気もしなく、第一図書室でサボった。
やっぱり誰もいない、この空間が楽。
そう思っているのに、何かが物足りない……
こんなにまで、俺の生活には鈴加がいることが必要不可欠になっていたんだ。
だからこそ、自信がほしい。
鈴加が離れていかないって自信が……
たとえ、それが……
――最低な確認方法だろうとも。