不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
その日は司先輩からの電話を待ちながら、過ごした……
ベットに入ってもいつ電話が鳴っていいように、枕もとに携帯を置いて眠った。
でも、あたしの携帯が鳴ることは、一度も無かった……
――――――――……
重い足取りのまま、学校に向かう。
靴箱からスリッパを取り出した瞬間―……
――グイッ
「きゃっ!!」
後ろから腕を握られ、そのまま引っ張られる。
「えっ!?ちょ、ちょっと!」
何も言わず、ただ早歩きで歩く。
なんで!?
「ちょっと……司先輩っ!?」
周りからもの凄く、視線を感じる。
でもそれさえ気にしない様子。
そして、そのまま連れて来られた……第一図書室。
「つ、司先輩……?」
なんでここに……?
図書室に入っても、何も言わない司先輩に不安になり、覗き込もうと体を屈めた。
――グイッ
えっ……
――ドサッ
腕を痛いくらいに引かれ、そのまま机に押さえつけられるようにして、倒された。
「……え」
あたしの背中には冷たくて固い、机の感触。