不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
動こうにも、腕を上から顔の横で押さえられていて、身動きが取れない……
「つか……さっ……先輩?」
「………」
――ドクッ
あたしを上から見下ろすようにして見る、瞳が怖い。
いつもの司先輩じゃない……
冷たくて、突き刺さるような冷たい瞳……
「せ……「昨日、何してた……」
あたしの言葉をさえぎって、低くそう聞いてくる。
その言い方に、また心臓がドクッと跳ねた。
「な、何って……」
先輩の視線が怖くて、目を反らした。
すると、そっと手が解放された。
でも司先輩の手が次に向かったのはあたしの制服だった。
「ちょっ……えっ!?」
ボタンを外そうとする司先輩の手を、ギュッと掴んで、阻止しようとするあたし。
乱暴に外そうとしていなかった先輩の手は、簡単に止まった。