不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
先輩の下で涙をこらえながら、震えるしかないあたし。
「そっか……やっぱり怖いよな」
「つ、かさ……せんぱ……い……?」
「無理だったのかもな……」
「…………え」
ボソッと司先輩の呟いた言葉の意味がわからず、ただ見つめる。
「……」
何も言わず、そっと離れた司先輩。
そしてそのまま静かに教室を出ていった。
震えたままの手で、ブラウスの襟を握った。
怖かった……
今だって涙が出そうなくらい震えてるのに。
なんで……?
なんで、司先輩の方がそんなに哀しそうなの……?
何をそんなに抱えているの……?
『無理だったのかもな……』なんて、ちゃんと意味を言ってくれないとわかんないよ……
わかんないよ……司先輩……