不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
好きなのに…-司Side-
気づいたら鈴加を押し倒していた……
細くて力をいれたら、簡単に折れちまうんじゃないかっていう腕を、力いっぱい押し付けて。
クリッとした大きな瞳に、涙をいっぱいに溜めさせて。
『好き』だと伝えてくれた口から、戸惑いの言葉を出させて。
ギュッと温かくて安心するような体を、震わせていた……
ハッと我に返った時には、もう遅かった。
鈴加の瞳は、俺を恐怖にしか感じていなかった。
いつも俺を見ていてくれるような、優しい瞳じゃなかった。
そんな目にしたのは紛れもなく俺だ……
――『やっぱり怖いよな……』
そんなこと分かりきってる。
震える鈴加を見れば……
どこで愛し方を間違ったんだろう……?
そんなの分かりきっている……
鈴加からの愛情を確認したくて、色んな女を相手した。
最初は素直に顔に出していたヤキモチを……、鈴加がしなくなったのはいつからだろう?
俺のこと嫌いになってしまったのか……?
そう思うとさらに、ヤキモチを妬いてほしくて、女を利用した。