不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
智也の想い-鈴加Side-
司先輩の居なくなった、静かな図書室。
司先輩の居ない、寂しいあたしの隣。
泣くわけでもなく、何をするわけでもない。
ただ、司先輩の出ていった背中を追いかけるように、ドアを見つめるだけ。
どうしてこんなことになったんだろう……?
好きなのに……
なんでこんなに気持ちが離れていっちゃうのかな……?
ただじっとドアを見つめていたあたしの目から、スーッと涙がこぼれた。
結局一時間目の授業はサボってから、教室に戻った。
――ガラッ
「鈴加っ!」
教室に戻ったとたんに走りよってきた蘭。
何も言わず、サボっちゃったからね……
「どこ行ってたの?」
優しい口調でそうたずねてくる。
「ちょっと……ね」
「……そっか。……よしっ!ついでに2時間目もサボるぞっ!!」
「えっ……!?」
2時間目も!?