不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
驚いているあたしにお構い無しに、腕を引いてどこかに向かう。
「ちょ、ちょっと!?」
グイグイ引っ張られるまま、ついたのは屋上。
「まずはどうする?」
「へ?」
屋上についたとたん、フェンスにもたれかかって蘭がそう言った。
どうするって、何が?
きょとんとした顔で、蘭を見ていると……
「手っ取り早く、今は泣いとく?」
少し悲しそうな顔をしながら、腕をあたしに向けて広げてきた。
「っ……」
そっか。だから蘭は屋上なんかにあたしを連れてきたんだ……
あたしに何かあったんだとわかってて……
あたしはギュッと蘭に抱きついた。
それと同時に止めどなく溢れ出てくる涙。
子供みたいにわんわん泣いて、泣いて、泣きまくった……
そんなあたしをただずっと、蘭は抱きしめてくれていた。