不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「ケンカ……?どんな?」
「……わかんない」
わかんないんだ……
まずこれをケンカと言っていいのかも……
ケンカじゃなくて、ただあたしが司先輩に愛想を尽かされたのかもしれないし……
「難しいよね~。恋って」
ん―っ!と腕を伸ばしながら、蘭が唐突にそう言ってきた。
「実はさ、あたし本当は智也のことが好きだったの……」
「え……えぇ!!?」
サラッと言った蘭に、おもいっきり驚きの声をあげた。
「でも智也にも好きな人がいてさ……」
智也に……好きな人……?
ずっと一緒に居たのに知らなかった……
「智也って、そのコしか見てないんだもん。悲しくて、辛くて……。そんな時に夏樹に告白されたの」
静かにゆっくりと話す。
「夏樹はあたしが智也を好きだって、知ってて……それでも付き合ってほしいって言ったの。利用してもいいからって」
うつ向く蘭からは表情がうまく読み取れない。