不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「でもそんな夏樹と付き合っていくうちに、智也以上に……うぅん。夏樹じゃなきゃダメだって思うくらい、好きになってたの」
「……蘭」
「でも、そんなこと付き合ってるし、今さら言わなくてもいいかな―って思った」
一つ一つ、あたしに語りかけるような言葉。
「まぁ―、そんな気持ちも夏樹が他の女の子といるところを見て、ヤキモチ妬いた時にバレたんだけど」
ペロッと舌を出して、ふざけた素振りを見せる。
「そしたら夏樹、何て言ったと思う!?」
「……な、なんて……?」
ヤキモチの言葉に反応してか、つい戸惑いの返事を返した。
「嬉しいって言ったんだよね。好きなのは俺だけかと思ってたからって」
柔らかく笑う表情から、蘭の幸せさが伝わってくる。
「つまりさ、何が言いたいかというと……、素直に伝えるのが一番なのよ」
照れたようにコホンっと咳払いをした。
「お互いがお互いに不安を持ってるの。嫌われるのが怖くて何も言わないなんて、それが一番お互いのためじゃないっ!」