不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「サボりって……」
智也らしい。
よくサボってるからなぁ―……
でも今日のサボってる理由は……
「大丈夫か……?」
ほら。あたしを心配してでしょ?
昔からそうなんだよね……
ぶっきらぼうの中にある、優しさ。
やっぱり智也は智也だ。
「昨日もだけどさ……どうせ今日も司先輩と何かあったんだろ?」
「……なんで決めつけんのよ……」
「もういいだろ」
「……は?」
「もうわかっただろ?あんな奴と付き合っても無理するだけだって」
「っ!それは……」
こんなこと言われて悔しいのに……何も言い返せない。
「智也には関係ないでしょ!!」
悔しい!悔しいっ!!
こんなことでまた泣きたくないのにっ……!
必死に涙を流さないように、ギュッと手を握ってうつ向いた。
――ふわっ
その瞬間、優しく包まれた体。
この感覚は知っている。
昨日感じた、心の落ち着くような温度。
力強く、あたしを抱きしめる腕。