不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「智也……?」
「……俺にしろよ」
「え……」
「ずっと……ずっと鈴加だけが好きだったんだ」
いつもウザいくらいに自信たっぷりで……
弱いところを見せない智也が……
弱々しく、でもしっかりした口調であたしにそう伝えた。
耳元で伝えられた言葉からは、智也の表情がうまく読み取れない……
「好き……って……」
妹みたいに……?
「言っとくけど、妹とかそんな家族愛じゃねぇから」
「っ……」
なんでわかったの!?
「お前のことは何でもわかんだよ。お前のこと、ずっと見てきたんだからな。恋愛感情として」
――ドキッ
「……司先輩には渡せない」
「っ……」
「もう何もしないで、諦めるのはやめるって孝太の時に決めたから」
「智也……」
ずっとギュッと抱きしめたまま話す。
「俺なら鈴加を悲しませたりしない……」
悲しませたりしない……?
……あたしは悲しまなくてすむの?