不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「だから……俺のモノになってよ」
「智……也……」
ゆっくりと離れた体。
でも腰に回してある手は離されず、智也の顔が近づいてきた。
そっと近づいてくる顔。
「っ……!」
反射的に顔を背けた。
「鈴加……」
悲しそうな声があたしの耳に届く。
「あ、あたしっ……」
「まだ返事はいい」
えっ……
「返事はまだいらねぇから。ちゃんと俺のモノになるって決めたら、そしたらその時は……もう離さねぇから」
「っ///」
相手は智也だってわかってるのに。
好きなのは司先輩だって、心ではわかっているのに……
胸のドキドキが……止まらない。
「じゃあ、俺らも教室帰るか」
ポンッと頭に手を置いて、優しい笑顔を向けてくる。
――ドキッ