不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
あれだけ泣かして……
あれだけ怖がらした。
鈴加にヤキモチを妬いてほしいがために、鈴加を傷つけた……
「だからあたしは司先輩を許せません……」
そうだよな……
親友が、最低な奴に傷つけられたんだからな。
「でも……」
でも……?
「鈴加を笑顔にできるのも、紛れもなく司先輩だけです」
「っ……!なんで、そう言い切れるんだよ……」
おかしいだろ……
本当ならもう、近づかせたくないような奴なのに……
「あたし思うんです。傷つけた人しか、その人の心の傷を本当に癒すことは出来ないって……」
「……城田」
「鈴加は今、傷ついています。それを癒せるのは司先輩しかいないんです」
怖いくらいに、まっすぐすぎる城田の瞳。
「俺………」
ギュッと拳を握った。
「鈴加を手離したくない」
「っ……」
手離せないんだ……
「司先輩っ……」