不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「ごめんね……。部活休ませちゃって」
いつもの道を歩くあたしたち。
「別に平気。次の大会まで時間あるからさ」
「大会って再来月だよね?」
「あぁ―……、レギュラーだから気を引き締めないとな」
そう言ってニカッと笑った。
あたしこういう、智也が好きなんだ。
口は悪いけど、努力家で、でもその努力を絶対他人には見せない。
バレーの天才なんて言われてるけど、実際は凄い努力家。
そんな智也だから、あたしもここまで心を開けたんだろうな―……
「あのさ……鈴加……?」
「ん?」
突然足を止めた智也に、あたしもつられて足を止めた。
両手であたしの両手をギュッと握ってくる。
なっ……!
驚きの声をあげようとした瞬間、目に飛び込んできた真剣な表情の智也。
「……と、智也?」
「……その試合、観に来てくれねぇか?」
え……?
その試合って再来月の試合だよね?
「何言っての!?当たり前じゃん。毎回試合は応援に行ってるでしょ?」
「そうじゃなくて……」
……そうじゃない?