不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「おいしいですか?」
「あぁ。うまい」
「よかった」
こんな言葉で凄く嬉しそうな顔をしてくれる。
ってことは水族館も喜ぶか…?
なんてことを頭で考える。
「司先輩……」
「ん?」
「……何かあったんですか?」
クリッとした瞳を俺に向けてくる。
「え……何で?」
少し胸がドキリとした。
……デートのこと、バレてんじゃねぇよな?
「夏樹先輩が言ってたから……」
「は……?」
夏樹……?
「さっき屋上に上がる階段で会ったんです。そしたら“司なら屋上で悩んでるよ”って言ったから……」
あいつ……余計なことを。
「何でもないから。鈴加は気にするな」
デートの誘い方で、悩んでるってバレたら恥じだろ。
ポンポンと鈴加の頭を撫でた。