不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「……なんで……」
「んっ?……えっ!?」
うつ向いてしまっている鈴加を覗き込むと、大きな瞳いっぱいに涙を浮かべている。
「なんで……」
「え……」
「なんで何も言ってくれないんですかっ……」
鈴加のギュッと握っている手が、小刻みに震えていた。
「あたしって……そんなに頼りになりませんか?」
「ちがっ!ただ俺はデートをっ……っ……」
言ってしまった言葉を塞ぐように、手で口を覆った。
き、聞こえて……
「え……デート?」
ましたよね……
きょとんとした瞳を俺に向ける鈴加に、軽くゔっ……と唸った。