不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「あのね……鈴加……」
両肩に手を置いてあたしを見る。
「エッチって確かに恥ずかしいことかも知れないけど、それ以上に幸せな気持ちになれるよ」
「幸せな……気持ち……?」
「そう。……だから……」
ジッとあたしを見つめる真剣な瞳。
――ドンッ
「行ってこ―いっ!」
「えぇぇぇ!!」
背中をおもいっきり押され、蘭は手を振りながら去っていった。
こ、これどうしよう……
手に握られたままの“あれ”。
と、とにかく、駅に行かないと。
デートに間に合わない……
“あれ”は……
仕方ないっ!!
バッグに“あれ”を詰め込んで、駅に走った。
―――――――………
「ご、ごめんなさ―いっ!」
待ち合わせに、少し遅れて着いてしまったあたし。
「……」
「ちょっと準備に戸惑っちゃって……」
「……」
「……司先輩?」