不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
飯、食ってんのに香水と混ざって……なんか気持ち悪い。
「なんでも。あんたには関係ねぇだろ」
「司くん冷た~い。もったいないよぉ。そんなにカッコいいのにぃ」
はぁ―……マジうぜぇ―……
「悪い、夏輝。俺、先に帰る」
「は?まだ食いきってねぇじゃん」
もう食う気失せたし……
こいつのせいで。
ちらっと横にいる道岡を見ると、残念そうに俺を見ている。
「もうちょい待てよ!俺、もうすぐで食いきるからさっ!!」
「別にお前はゆっくり食っとけよ。」
「とにかく待てっ!!」
必死に白ご飯を口にかきこむ夏輝。
だから別にいいって言ったのに……
「あぁ―……。やっぱり席空いてないよ」
ざわついているはずの学食で、なぜか鮮明に聞こえた声。
この声って……
「お前が片付け遅いからだろ」
「はあ!?あれでもあたし、急いでたじゃん!」
……やっぱり。
七村鈴加だ………