不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「っ……」
「おいっ!何で泣くんだよ!?」
あたしの瞳からポロポロ流れ出す涙。
「だっ、だって~~」
司先輩が記念日を覚えてくれてただけで嬉しいのに、さらにネックレスまで……
これを買ってくれている司先輩を想像したら、涙が止まらなかった。
「そんなに泣くなよ。……でも、女物買ったの初めてだったからな。少し恥ずかった」
頭を掻き、照れながら言う司先輩に、胸がときめいた。
「ありがとぉ~~」
「うおっ!」
ギュウとあたしから抱きついた。
「そんなに喜んでくれるとわな……」
ははっと笑いながら、頭をぽんぽんと撫でる。
優しいな……司先輩って……
もちろんネックレスも嬉しかったけど、何より司先輩が半年記念日を覚えてくれてたのが嬉しかった。
「あ゙っ!!」
バッと先輩から離れた。
「な、何だよ……?」
泣いていたあたしが大声を出しながら離れたせいか、先輩が驚いた顔を向ける。
「どうしよう……」
「は?」
「あたし、司先輩に何もプレゼント用意してない……」