不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~


「っ……」


「おいっ!何で泣くんだよ!?」



あたしの瞳からポロポロ流れ出す涙。



「だっ、だって~~」


司先輩が記念日を覚えてくれてただけで嬉しいのに、さらにネックレスまで……



これを買ってくれている司先輩を想像したら、涙が止まらなかった。



「そんなに泣くなよ。……でも、女物買ったの初めてだったからな。少し恥ずかった」



頭を掻き、照れながら言う司先輩に、胸がときめいた。



「ありがとぉ~~」


「うおっ!」




ギュウとあたしから抱きついた。


「そんなに喜んでくれるとわな……」



ははっと笑いながら、頭をぽんぽんと撫でる。



優しいな……司先輩って……



もちろんネックレスも嬉しかったけど、何より司先輩が半年記念日を覚えてくれてたのが嬉しかった。



「あ゙っ!!」



バッと先輩から離れた。



「な、何だよ……?」



泣いていたあたしが大声を出しながら離れたせいか、先輩が驚いた顔を向ける。




「どうしよう……」


「は?」


「あたし、司先輩に何もプレゼント用意してない……」




< 271 / 349 >

この作品をシェア

pagetop