不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「あの……先輩……」
「ん?」
「い、いえ……。お弁当食べましょうか……」
「あぁ―……」
俺の前に目を伏せたまま、鈴加が座った。
「あの……お弁当……」
そう言って差し出す、青いバンダナのハンカチに包まれている弁当。
「サンキュ」とだけ言ってその弁当を受け取った。
「おっ。今日も旨そうじゃん」
「……」
「鈴加の玉子焼き好きなんだよなぁ―……」
色とりどりの弁当で、しかも栄養のバランスもしっかり考えてある。
いつも入っている玉子焼きは俺の為に甘くないように作ってある。
鈴加は甘い物好きなのにな……