不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~


……えっ。



「司くんの彼女だって知ってるでしょ?」



意外だった。



まさか、あたしを助けてくれるなんて……



「わかってるよ~。ちょっと、からかっただけだろ~~」



そう言って男の先輩たちは教室に入っていった。



――ホッ


「大丈夫だった?鈴加ちゃん」


「あっ、はい……」




一瞬だけ目を合わせて、すぐに反らしてしまった。



「……やっぱりあたしとは話しにくいよね?その様子じゃ、司くんに聞いたんだろうし……」


「……っ」



図星で一瞬焦った。



「でも、昨日で司くんのことは吹っ切れたから」


「……道岡先輩」



やっと先輩の目をしっかりと見れた。



「次はあたしの魅力に気づくような男をゲットしてみせるんだからっ!」



ペロッと舌を見せて、ふざけたように笑顔を向けた。



「あっ、それよりどうしたの?うちの教室に何か用事があって来たんでしょ?」



「カバンを……」




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