不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「カバン?司くんの?ちょっと待ってて。夏樹くんにでも持って来させるね」
ニコッとだけ笑って教室に入っていき「夏樹く―ん」と呼ぶ声が聞こえた。
恥ずかしい―……
物凄く恥ずかしい。
道岡先輩を、あからさまに邪険していた自分……
あまりにも自分が子供っぽすぎて……
道岡先輩はあんなに優しくしてくれたのに。
悪いことをしてしまった……
お礼も言えてないあたし。
道岡先輩はあまりにも大人で、綺麗に見えた。
「鈴加ちゃ―ん」
カバンを振り回しながら、教室から出てきた夏樹先輩。
これって司先輩のカバン……だよね……?
「ほいっ」
投げるようにあたしにカバンを渡す。
なんて、雑な扱い方……