不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
コール音が携帯から聞こえる。
――♪~♪~~♪
……え。
俺の部屋じゃない、リビングから聞こえる着メロ。
この着メロって……
ベットから起き、リビングへのドアを開けて……息を飲んだ。
っ……
なんで……
「んっ……。あっ!やばっ!寝ちゃってた!?……って司先輩っ!?」
なんで……居るんだよ。
「あっ、もう起きても大丈夫ですか?」
「なんで……居るの?」
「えっ……」
「あっ、そういう意味じゃなくて……」
一瞬にして悲しそうな瞳になった鈴加に、すぐに否定の言葉を言った。
「帰ったと思ってたから……」
そう思ったから……
「帰りませんよ。司先輩ツラそうだったし……」
……っ。
純粋に嬉しかった。
鈴加がここに居てくていること。
優しく俺に微笑んでくれていること。
それが嬉しかった……
「お粥作ったんですけど、食べますか?」
「あぁ―……」
「じゃあちょっと座って待っててください。」
ニコッと笑って、立ち上がった。