不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「誰?誰?」
興味津々なあたしたち。
「ちょっと部活のマネージャー……」
照れてるの丸分かり。
でも、そっか……
智也もやっと……、幸せ見つけたんだね?
「つーかもう俺、行くから!」
ヒュ―ヒュ―と蘭が口笛を吹いているのから、逃げるようにして智也は教室を出ていった。
「そっかぁ―智也にも彼女がねぇ~~」
嬉しそうにそう蘭が呟く。
「うまくいくといいね」
本当にうまくいってほしい……
何度もあたしを救ってくれた智也。
自分の幸せより、身内の幸せを願うような、そんなヤツ。
もうあたしたちは十分幸せだから……
だから次は智也に幸せになってほしい。
心からそう思うよ。
「じゃあ、あたしたちも帰……」
そこで言葉が途切れた蘭。
「蘭、どうしたの?……あっ」
蘭の視線の先を見ると、さっき居なくなったはずの夏樹先輩が正門で手を振っていた。
そっか。蘭を迎えに来たんだね。